H22創立記念日講演会

野瀬泰申氏(S45)日本経済新聞社特別編集委員
題目  〜日本は広いぞ、食文化から考える〜


食べ物についての日本は広いぞ!(久留米は如何に狭いか)

*久留米では普通にいただく「とんこつラーメン」
  東京にはないのである。(味噌ラーメン、塩ラーメン)

*九州のぜんざい、東京では「ぜんざい」と言えばもち、小豆はあっても汁気がない。
  東京では「いなかしるこ」が九州で呼ぶ「ぜんざい」である。
  おしるこ、とは小豆が粉になっているものである。
  下の図はぜんざい、お汁粉の呼び方の地域的な分布図である。
  これが良く調べてみると静岡と新潟を結ぶ線、すなわちプレートによって
  仕切られていると思っても良いのではないだろうか。

 ぜんざい、と呼ぶようになったのは陰暦10月(神無月)に全国の神様が出雲大社に集まって
 小豆の入ったもちを食べあったことから、神在り→じんざい→ぜんざい、となったそうだ。

* 「てんぷらにソースをかけて食べますか?」
  西日本ではOBのみがかけて食べている。
  関西では何にでもソースをかけて食べている。(大阪の会社で生産を始めた(明治30年以降))
  これも東日本と西日本の分かれ目で境界線ができている。
*灯油缶の色、
  東日本は赤
  西日本は青、理由は良くわかっていない。
* 東日本は「チャーハン」
   西日本は「焼き飯」と呼ぶ。
* 東日本はしろねぎ
   西日本は青ねぎで箱根あたりが境界線となっている。
* 冷やし中華について
  関西、四国では「冷麺」、久留米は冷やし中華と呼ぶ。
  北海道は「冷やしラーメン」
  岩手県は冷風面
  山形県はどんぶりに入った冷やし中華を冷やしラーメンと呼んでいる。
  中京地区では冷やし中華にマヨネーズを使っている。
*カツ丼について
  卵でとじたカツが普通だが
  名古屋では味噌カツ。
  新潟県、しょうゆダレ
  岡山県、洋風カツ
  山梨県、何もしていないカツ、ポテトサラダが乗っている。

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実はB級グルメの中心的仕掛け人なのである。

今年は神奈川県厚木市で開催され2日間で43万5千人の人出があった。
あまりの多さに、歩けない、進めない、食べられない、の状態だった。
投票は割り箸の重さによって決定された。(甲府のとりもつたい)が優勝!


このように日本の食文化と言うものは地域によって呼び方、食べ方がいろいろと
異なっているのである。
結論として
1、ある地域で知らないものが出てきても怒らないで食べる。
2、同じ読み方でも全く違うものが出てくる。
3、説明をいただくと、日本はこんなに広いものかと思い直す。

このように日常の身近な食べ物にはこんなに地域差があります。
どんなに小さなことでも関心を持って調べるととても興味深いことが出てきて
面白いのである。
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